■万里センセイの海馬【毎週木曜更新】

「夢とロマンと資産運用(全4回)」
-その1(1/2):「2.26事件と誕生日」-

私は丑(うし)年生まれで、「今年六〇歳になる」と正月のコラムに書きましたが、いよいよその時がやってきました。

馬には失礼な話ですが、人間は長生きすると「馬齢を重ねる」と表現することがあります。

馬は長生きの動物で、寿命は二五歳くらいですが、生殖能力があるのは一八歳ぐらいまでですから、後は、まさに「馬齢を重ねる」ということから、人間も「意味のない長生きをした」という謙遜の意味を込めて「馬齢を重ねる」と使うようになりました。

私の誕生日は2月26日ですが、73年前の昭和11(1936)年2月26日に、有名な「2・26事件」が起きました。

雪の降る日の出来事で、亡くなった母は、事件の起きた当日、靖国神社近くの女学校へ通う途中で、道路が反乱軍によって封鎖され、慌てて帰宅したときの様子を、子どもだった私に何度も話してくれました。

寒さと怖さで震えた思い出が母の心に強く残っていたようでした。

事件の首謀者の北一輝(民間人)や陸軍の安藤輝三大尉らは、その年の7月に東京代々木の陸軍練兵場内に設けられた処刑場において「反乱罪」で銃殺刑に処せられました。

代々木練兵場の跡地は、現在、代々木公園とNHKの放送センターになっていて、そのすぐ目の前に、2・26事件で処刑された人々の慰霊碑があります。

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