■万里センセイの海馬【毎週木曜更新】

「馬に魅せられた画家・作家たち in the world(全4回)」
-その4(2/2):ジェリコーをご存知ですか?-

ジェリコーの作品を見て気が付くのは、馬が空を飛んでいるような構図です。競馬ファンならすぐ分かるように、競走馬は障害競走の飛躍のときを除いて、トラックを駆けているときには必ず足が一本地に着いているはずです。実際の競馬の場面ではありえない馬のポーズですが、こうして宙を浮いているように描くことによって、競走馬のスピード感はさらに増しています。

もうひとつ、現在の競馬ファンがこの絵を見て、不思議に思うのは、騎手の騎乗の姿が直立しすぎていることです。馬の鞍に腰をしっかり下ろし、背筋をピンと立てているのです。現在の騎乗の仕方は俗に「モンキィー乗り」といって、腰を浮かして前傾姿勢になります。「ジェリコーは競馬をよく観察していないのでは?」と思う向きもあるかも知れませんが、当時の騎手の騎乗の仕方は、この絵に描かれているような乗り方が一般的だったそうです。

「馬に魅せられた画家・作家たち in the world」〜完〜
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