■万里センセイの海馬【毎週木曜更新】
「馬の故事・熟語_本当の意味をご存知ですか?(全4回)」
-その1(2/2):馬耳東風(ばじとうふう)-
タイトルは王十二という友人が、李白に「寒夜に一人で酒を飲んで思うところがある」との詩を贈ってきたので、それに答える詩を作ったという意味です。王十二(おうじゅうに)は詩の才能にあふれた人物ですが、彼の詩才はなかなか世に容れられません。
そこで李白に身の不遇を嘆く詩を贈ったのですが、李白はそれに対して、「今の世の中、皇帝の好きな闘鶏の技に優れた人物か、辺境の戦で手柄を立てた者しか評価されない。いくら傑作と言われる詩を作り、人々にこれを聞かせても『東風の馬耳を射るがごとき(春の訪れを告げる東からの風が吹いても馬は何の関心も示さない)』である」との詩で、ここから「馬耳東風」の熟語が生まれました。
唐の時代には、世に容れられることの少なかった李白ですが、彼が残した詩の一節はこうして今の世にも語り継がれているのです。
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