■万里センセイの海馬【毎週木曜更新】
「馬の故事・熟語_本当の意味をご存知ですか?(全4回)」
-その2(1/2):天高く馬肥ゆる秋-
今はその時季ではありませんが、秋になると「天高く馬肥ゆる秋」という言葉を耳にします。
競走馬も夏に馬草を腹いっぱい食べて、秋には体重が増加するようで、秋の競馬シーズンになっても夏痩せのままだと、その馬はどこか調子が悪いのではと敬遠されることがあります。
もっともこの言葉、現在では、「天高く馬肥ゆる秋だから、私も体重増えちゃった」などと、人間の食欲に関する表現としてよく使われます。
ところが、この言葉が生まれた古代の中国では、そんな飽食の時代を表す言葉としては理解されていません。
当時、漢民族は中原つまり長安や洛陽など、黄河流域の肥沃な土地に住み着いていました。
ところが中原に接する広大な北西部には「匈奴(きょうど)」と呼ばれる騎馬民族が割拠していて、彼らは毎年、漢民族に果敢な攻撃を繰り返していました。
騎馬民族は春から夏の間、北西部の大草原で馬を放牧して、狩猟生活を送っていますが、秋になって放牧地の草がなくなると南下の準備をします。
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