■万里センセイの海馬【毎週木曜更新】
「馬の故事・熟語_本当の意味をご存知ですか?(全4回)」
-その2(2/2):天高く馬肥ゆる秋-
遊牧民の住処は冬には零下何十度の酷寒の地になりますから、その前に暖かい南の地を目指してまるまると太った馬に乗り、漢民族の居住地を襲って略奪しながら冬場を凌ぐ生活でした。
だから、当時の漢民族はこの言葉を聞くと、「秋になって天も高くなった。そろそろ肥えた馬に乗って匈奴が攻めてくる。備えは大丈夫か」と警戒心を高めていました。
漢の時代の歴史書『漢書』の「匈奴伝」には「匈奴(きょうど)秋(あき)に至(いた)る。馬肥(こ)え 弓頸(つよ)し。即(すなわ)ち塞(さい)に入る」との表現があります。
「匈奴は秋になったら攻めてくる。馬はまるまると肥え、弓は強力で、漢軍の要塞に攻め込んでくる」という意味で、ピンと張り詰めた緊張感があります。
現代の日本の食べ過ぎによるメタボを気にする感覚とはずいぶん違った心境であったことは心に留めておくといいでしょう。
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