■万里センセイの海馬【毎週木曜更新】

「馬の故事・熟語_本当の意味をご存知ですか?(全4回)」
-その4(2/2):老いては麒麟(きりん)も駑馬(どば)に劣る-

麒麟にはもうひとつ「一日に千里を行く青黒い名馬」の意味があります。駑馬はすでに書いているように、歩みののろい馬。

「昔は一日に千里を走る名馬だったのに、年をとると、のろのろ走る馬にも遅れをとってしまう」というのが、この言葉の意味ですが、本格的な高齢化社会に入り、お年寄りが元気な日本では、最近あまり使われない言葉でしょう。

それでも若い世代にこう言われたら、その時は次の言葉で反撃してはいかがでしょう。「麒麟(驥(き))は一日にして千里を往(ゆ)くが、駑馬も十日かければそこに着く」。

これは前回「人間万事塞翁が馬」の稿で紹介した漢の時代の『淮南子』に書かれている言葉です。

競馬の世界では速いことが評価の基準ですが、人生においては速く進むことだけが取り柄でないことは言うまでもないでしょう。

「馬の故事・熟語_本当の意味をご存知ですか?」〜完〜

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