■万里センセイの海馬【毎週木曜更新】

「ワタシの周囲の馬好きの人々(全5回)」
-その1(1/2):馬を見つめる父-

連載の最初に紹介した競馬好きの父がこの2月に亡くなりました。90歳の大往生でしたが、食道癌で最初に入院したのが4年前、その後入退院を繰り返し、一時的に体力が回復した時期もありました。

そのとき一緒に競馬場へ行こうと提案したものの、父にそれだけの気力は無く、結局、最後の親孝行はできずに、死出の旅路を見送ることになりました。

49日の法要を済ませて、先日父の部屋の片付けをしていると、机の引き出しから出てきたのは、競馬に関係する遺品がほとんどでした。

ちょっと驚いたのは携帯ラジオで、ほとんど使っていないものを含めて5台も出てきました。

片手に競馬新聞、片手に携帯ラジオが当時の競馬ファンお決まりのスタイルでしたが、この格好で、しばしば競馬場に通っていた父の姿を思い出して、しばらく遺品整理の手が止まりました。

もうひとつ、目立ったのが赤鉛筆です。正確には赤色と青色半分半分の鉛筆ですが、まだ削っていないものが数ダース出てきました。

この色鉛筆は誰も引き取り手がいなかったので、私がそのまま家に持って帰りました。
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