■万里センセイの海馬【毎週木曜更新】

「ワタシの周囲の馬好きの人々(全5回)」
-その1(2/2):馬を見つめる父-

部屋の壁に目を移すと、父が共同馬主だった馬が優勝した時の記念写真が額に入って懸かっていました。

馬の名前はラビリンス、さほど強い馬ではなかったですから、この名前を覚えている人は少ないのではと思います。

それでも1980年代に中央競馬で2勝したうちの1回の写真です。馬主や厩舎の関係者が手綱をとっての優勝記念写真を見ると、他の人々は皆カメラ目線なのに、父は馬の方を向いています。

生前、その点を父に指摘すると、こう言いました。「このとき馬に向かって、よくやった、偉かったと話し掛けていたんだ。

その瞬間を撮ってくれた写真で、一番気に入っているいい写真だ」と。こよなく馬を愛した人の一言です。
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