■万里センセイの海馬【毎週木曜更新】

「記憶に残る名勝負(全4回)」
-その2(2/2):タニノムーティエVSアローエクスプレス-

特にタニノムーティエは差し足が身上ですから、「最後の直線に注目だな」とそんな思いでスタートの旗が振られるのを見守りました。

係員が散り、ゲートが開いてスタートですが、直後からアローエクスプレスは先頭集団にいました。一方、タニノムーティエは中団で力を溜めている様子でした。

第三コーナーでタニノムーティエはさらに後退します。「ひょっとして故障かな」と思えるくらい大きく遅れますが、第四コーナーを回って、ゴールまで最後の200mになってタニノムーティエは凄まじい追い込みをかけました。

「疾風のよう」という表現がピッタリの走りで、頭一つアローエクスプレスをかわして優勝。

この後のダービーでもタニノムーティエとアローエクスプレスの死闘は続きましたが、この日の直線200mの勝負の激しさには及ばなかったというのが大方の評価です。

何年ぶりかで競馬場に足を運んだその日に、歴史的な名勝負の場面に立ち会えて、私は競馬との不思議な縁を噛み締めていました。
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