■海江田万里の政経と生計のカンケイ【不定期更新】
「海江田万里の政経ダイアリー 2010/08/17号」
「―Financial Adviser 9月号 海江田万里の経済熱線―」

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★ 金融機関に国債保有が偏ると企業への貸出しに回らない ★

 わが国の借金のもうひとつの問題、それは国際の保有者が銀行や生損保などの金融機関に偏っていることです。2010年3月末の統計で、国債残高684兆3464億円のうち、銀行等の保有割合は43・6%、生損保等が20・3%の保有だ。両者合計して63・9%の保有率を占めることになります。

 ちなみに海外投資家の日本国債の保有はわずか4・6%でギリシャの国債はその75%が海外に保有されているのとは桁違いの状況です。日本の国債は日本国内で売れているので、いわば「家族間の借金」と言えなくもないのですが、だからといって、このままさらに大量に国債を発行し続けていいわけではありません。

 金融機関が約64%の国債を保有しているということは、銀行の資金が企業への貸し出しに回らないでいることに他なりません。それだけ経済活動が停滞してしまいます。

 また、金融機関の資金の原資である国民の預貯金がどんどん増えていけばいいのですが、いよいよ本格的な少子高齢化のなかで、人々が預貯金を取り崩し、生活費に充てることになります。いわゆる「貯蓄率の低下」が起きることになります。

 特に団塊の世代が、65歳以上に達する2015年までには、財政の抜本的な改革の道筋をつけなければならないことは確です。

(2010年8月17日 記)
衆議院議員 海江田万里


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