■海江田万里の政経と生計のカンケイ【不定期更新】
「海江田万里の政経ダイアリー 2011/01/12号」
「―夕刊フジ「永田町新潮流」 シンガポールの経済政策―」

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 シンガポールは2010年に入って観光客が急増しています。7月には1か月で100万人の観光客を集めました。日本は月に60〜70万人ですから、日本を大きく上回っています。その要因は2010年に2つのカジノ総合リゾートが開業したことにあります。これまでシンガポールでは、カジノを建設することに政府内にも反対意見がありました。しかし、香港、マカオ、韓国など他の東南アジア諸国に観光客の数で水をあけられたことに危機意識を感じ、カジノ導入を決定した経緯があります。

 今回、私はそのカジノ施設を視察しました(もちろん、ゲームは一切行っていません)。

 興味深かったのは、カジノ施設に入るのに、外国人はパスポートを提示すれば無料で入れるのに対し、シンガポール人からは、1回の入場に付き100シンガポールドル(約6300円)を徴収していたことです。これは国民がカジノ漬けになるのを防止するための税金だそうで、全額が国の収入になります。

 税金といえばシンガポールの法人税率は2010年度から17%に引き下げられました。ゴー・チョクトン上級大臣との会見で、わが国でも法人税の実効税率を5%下げ、約35%にしたことを告げましたが、シンガポールの税率の前では、日本の減税は何とも中途半端に映り、メリハリの利いた政策を素早く決めることがシンガポールの成長の秘訣と感じました。

(2011.01.12記)
内閣府特命担当大臣
衆議院議員 海江田万里


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