★閣議決定で終わりではない。消費税論議は始まったばかり★
消費税の議論で深夜におよぶ会議が続いた一週間でした。民主党は、
マニフェストで「やらない」と言ったことをやろうとしている矛盾、
そして、まだデフレが続き、昨年の東日本大震災で受けた大きな傷
が癒えていない時期に増税を行うことの問題、国民に負担を押し付
ける前にやることがあるだろうとの指摘などはもっともであるが、
私なりにこの間の議論を整理してみたいと思います。
もちろん、増税の判断にあたって、成長率だけが、必須条件ではあ
りません。法案でも、「経済状況等を総合的に勘案したうえで」と
あり、2014年に実際に上げるかどうかの判断は、その半年ぐら
い前に、「総合的に勘案して」決断すればいいのです。数字を入れ
たことは、政府がデフレ克服に取り組むとの決意を示したものと理
解されるべきでしょう。
もうひとつ、消費税の逆進性を解消するために「簡易な給付措置」
と「給付付き税額控除」を実施、検討することを閣議決定に盛り込
むことが明らかにされました。「簡素な給付措置」、「給付付き税
額控除」と難解な用語が並びましたが、要するに、消費税増税は年
金生活者など低所得者を直撃しますから、その負担を軽くするため
に、何がしかの給付を行うものです。その金額がいくらになるかは、
今後の検討課題となっています。