9月8日、現行憲法下で3番目に長い229日間の第180回通常
国会が終了しました。今回の国会のトピックスは、何と言っても
「社会保障と税の一体改革法案」が成立したことだと思います。
この法案に対する私の態度は6月26日号レポートに記しましたの
で、ここでは再び書きませんが、肝心の社会保障の充実について、
「1年以内に国民会議を開催する」ことは決めたものの、委員の人
選も含めて、まだ会議の体裁も整っていません。せめて委員の選考
などは、今国会中に決めておき、キックオフ(第1回の会合)だけ
は開いておくべきでなかったのかと悔やまれます。
また、大変、残念なことに、予算を執行するなかで、その財源とな
る特例公債法を成立させられませんでした。この問題については、
衆議院の財務金融委員長を務めていた私にも大いに責任があります。
本来でしたら、特例公債法は予算の成立と同時に、成立させるべき
でした。それが叶わず、何とか国会の最終日までには参議院でも成
立をさせるべく、与党の委員会理事と相談を繰り返しましたが、
なかなか野党側の理解が得られず、ギリギリ8月末に衆議院の財務
金融委員会で採決をしました。この委員会には公明党や、共産党は
出席して、反対意見を述べました。しかし、自民党は最初から出席
をせず、ついに衆議院本会議も欠席し、参議院では、一度も会議を
開かずに廃案にしてしまいました。その結果、一部の自治体に対す
る交付金の支給に制限がかかるなど、すでに国民生活に影響が出て
います。野党の責任は追及されるべきでしょう。
また、建設公債は、予算書に発行金額を入れるだけで、国会で法律 を成立させる必要はなく、特例公債は財政規律を保つために、特別 に法律を成立させる必要があるわけですが、国債発行額の90%が 特例公債である今日、特例公債と建設国債の区別をなくしてもいい のではと考えています。
もうひとつ、今国会では、議員定数の削減ができませんでした。 民主党は国会の最後に、衆議院小選挙区の0増5減と比例区の40 議席削減案を衆議院で成立させましたが、これには全野党が反対し て、参議院では議論が行われませんでした。民主党は先の総選挙で 比例区の80削減を公約しており、その半分の案を提案したわけで すが、国会議員の議席数を決めることは、いわば議論の土俵作りで すから、野党にも委員会の議論に参加してもらいたかったと思います。
229日の暑くて長い国会を終えて、疲労感が残った感は否めません。
衆議院議員 海江田万里