■コバヤシのコバナシ【金曜更新】

ウマ(生ま)れし記憶と、感謝の気持ち

 世界各国注目の新型インフルエンザ。ここ、関東でも感染者が出たと発表があった。
 私の住む近くということで、やや懸念はしているものの、大方、冬に流行るインフルエンザとさほど変わりがないようだ。感染力があるには間違いない為、抵抗力や免疫力の弱い方は予防するに越したことは無いだろう。ただ、神経質になりすぎて、そちらで精神的に参ってしまわぬ様にご注意を。
 
 さて、私事ではあるが、先日誕生日を迎え、また年を一つ重ねた。
 人間、男性も女性も、ある年齢を過ぎると、自分が何歳になったか認知に困るようになる。それほど、年齢を重ねることよりも、人生において何に重きを置くか、また、優先すべきかの意識が変わってくるからだろう。
 
 ただ、年を取り感じ始めるのは、やはり親への感謝の気持ちだ。
 どの母も、子を産むために10月10日の歳月をかけ、命を育てる。その間は何があっても母と子は、一心同体である。当たり前のようだが、そんな命がけで護るべきものが我々一人ひとり=子であると気付いたとき、生まれた瞬間の記憶はなくとも、後に抱くのはやはり感謝の気持ちが大きい。
 
 誕生日は、当人のみならず、その母を始めとする家族。そして、周囲で支えてくれた人々など、そういった人たちへ感謝の気持ちを伝える日でもあると、私は思う。
 毎日、世界のどこかで誕生日を迎える人がいる。
 親は子に対し、生まれてきてくれて有り難う。子は親に対し、産んでくれて有り難う。という互いに抱く、その感謝の気持ちに、絆はより深く濃くなるだろう。
 子が親に、親が子に、または大切に想う人に、愛するがゆえの憎しみを抱く事もあるだろう。しかし、その気持ちを更に超え、年齢・性別・国籍などに囚われることなく、相手を敬う尊敬の気持ちを大切にして欲しいと思う。
 
 その家庭に生まれてきたことや、今の自分の状況を悔やむことよりも、どう活かすかを楽しみに変え生きていく考えに気付けば、何十倍も充実した人生を過ごせるだろう。不景気に生きる今を、より楽しく生きるか、それは身の回りにある小さな幸せに気付こうとする気持ちから始まるのではないだろうか。

(2009.5.22)


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