■コバヤシのコバナシ【金曜更新】

シャネル、ファッション、そして馬

 GWが終わってしまった方も、まだ数日残っている方も、もう何時間もすれば、また土日=週末である。それが終わればカレンダー上では7月まで祝祭日無く、ちょっとした休息を取り入れるのは難しいかもしれない。そこでこのGWを有効に使えた方もそうでない方も、今回は一本の映画(DVD)をご紹介しよう。それがシャリー・マクレーン主演、「ココ・シャネル」である。
 
 言わずと知れた、ファッション界の女王と異名を取る、ココ・シャネル。その生涯をモチーフに描いた作品である。
 12歳になる頃母が他界し、父に捨てられ、妹と一緒に孤児院で暮らすココ。孤児院を出てからはお針子として働き、その時出会った将校達に連れられたカフェで歌うことに目覚める。そして、その時歌っていたのが、「Ko Ko Ri Ko(コケコッコウ)」と、「Qui qu'a vu Coco dans le Trocadero(トロカデロでココを見たのはだれ)」で、そこから「Coco(ココ)」という愛称がつけられたそうだ。
 
 波乱万丈で一見悲劇に思える彼女の環境。しかし、恋愛を通して、そして、ファッションを通して力強く耐え、生き抜く姿は、まさに圧巻である。何より彼女の根底にあるファッションへの美意識は、今もなお、数多くのデザイナーを始め、世の働く女性に大きな支持を得ているのではないだろうか。ロゴであるシャネルの文字も「CoCo」の「C」を互いに背中合わせにし、作り出されたように映画の中で描かれていた。
 100%ノンフィクションというのは、難しいかもしれないが、ほぼ忠実に描かれたであろう本作品。それに魅せられたそれぞれの想いは、まぎれもなく「作り物」ではない、「事実」になるだろう。
 
 ココの生涯は勿論、ファッションの様子も飽きることなく楽しめる作品。ただ、それだけではなく、この映画の中で登場するポロ・スポーツに出てくる馬が、その時代の紳士のスポーツであり、そして、じゃじゃ馬のように激しくぶつかりながらも、巧く馬と共に戦うポロ選手達というものが、馬好きの男性にも共感していただけるのではないかと思う。
 初めは「女性の映画」や、「ファッション的な映画」といっている人ほど、そのポロのシーンは堪能できるのではないだろうか。

 意外にGWは外出が多く、逆に疲労が少し溜まっている方は、この「ココ・シャネル」で、ゆったりとしたGWの締めをしてみてはいかがだろうか。

(2010.5.7)


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