■【馬ロマン】
第七回目ゲスト:杉本忠宏さん(全4話)
-日々成長していく生徒たち(2/2)-
Q:逆に、苦労した思い出はありますか?
馬に乗れない事ですかね。
基本的に生徒は私の話を聞く気はないです。
馬の技術が無い事、これもそうですが、自分に利用価値の無い話を生徒は聞きません。
それでも、わかった振りして話を続けていくときが一番辛い。
Q:積極的に部員を牧場研修に送り出していると伺いました。とても素晴らしいことだと思うのですが、現場でどのようなことを学んで欲しいと思いますか?
牧場研修の中で、技術を学ぶのも当然ですが、一番、学んで欲しいのは牧場での現実です。
でも生徒にいくら話をしても技術研修だと思っています。
当たり前のことですが、馬が勝手に走る訳でもなく、人が決めたルールの中で行っている競技なので、人としての経験値を高めてほしいと考えています。
今の子ども達は、大人のまねをして簡単に、YES、NOを決めます。
だから、実際の現場の中で、生産に携わっている人たちが抱えている、葛藤や現実を学んで欲しいと思います。
Q:馬術部員の卒業後の進路に大学進学が増えているようですね。このような傾向はどう思われますか?
生産牧場の皆さんには、怒られると思いますが、私自身が大学でいろいろ学べた(遊んだ?)ので、積極的に応援しています。
すぐに家業を継ぐのではなく、4年間の中で人間力を高めてほしい。
いろいろな社会の人たちの価値観を学んで、いろんな目線を持って欲しいと考えています。
そして、競馬界にはいってほしいと思います。
あとは、卒業後すぐに牧場に入るのではなく、JBBA・BTCの技術研修を受けてほしいと考えています。
Q:将来の夢は調教師!という生徒さんもいらっしゃいました。生産馬の活躍もさることながら、卒業生の活躍も楽しみですね。
(本校は)30年間、馬に関する卒業生を送り出していますが、卒業生のみなさんの足跡をおっていない状態が続いています。
なんとか足跡を綴っていきたいと考えています。
本校卒業生が、私のこの情けないインビューを見て、靜農を応援してもらえるかどうかわかりませんが、応援して欲しいです。
Q:馬の世話は、「動物が好き」「かわいい」だけではできない、つらい作業も多いと思います。これから入学・入部を希望する学生さんたちに望むことは何でしょうか?
ペットを可愛がるような気持ちで入部して、現実を知ることが多々あります。
ただ、馬が好きという気持ちが無ければなにも始まらないので、好きな意味をより現実的、経済的にできるのかという強い信念が必要です。
入学・入部を希望して、夢をもってくると思いますが、自分自身の生活全てが馬と共にあるような環境でいられる事は、むずかしいと思います。
目標を達成するためには、自分の事も大切ですが、周りも大切にする気持ちをもっているような子どもでなければ達成できません。そのような心の準備をしてください。
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