■【馬ロマン】
第八回目ゲスト:小西英司さん(全4話)
-余生を送らせてやりたい(2/3)-
Q: ホーストラストを始めるキッカケを教えてください。
「新冠ホロシリ乗馬クラブ」や「うらかわ優駿ビレッジ アエル」で馬やスタッフの管理監督をする立場である中で、常々馬を大事にしろといいながら、働けなくなった馬は処分しなければならないという矛盾した立場にありました。
馬たちには働けなくなった後も余生を送らせてやりたいと思ったことがキッカケだと思います。
そのときはホーストラストという名前もありませんでしたが、その後同じような悩みを持つ人たちが沢山いることを知り、現在のような構想になってきました。
Q:引退馬を馬主から預託してもらい運営している牧場は沢山あると思いますが、NPOとして活動を行おうと思われた理由は何ですか?
現在40頭余りの引退馬がいますが、まだ若い馬もいて、現在52歳の私より長生きする馬もいるかも分かりません。
私がいなくなった後も、現在のシステムや活動が継続されるにはNPO法人(※)がもっとも適しているように思ったからです。
※NPO法人・・・社会貢献活動を行う団体の総称。
Q:ホーストラストを始めるにあたり、どんなことに苦労されましたか?
苦労したことは2つあります
まず一つ目は組織の枠組というか、システムをどうするかと
いうことです。
キッカケは自分の携わった馬でしたが、より多くの馬を救済しようと考えるようになって、個人でやれる事などたかが知れています。
以前働いていた乗馬施設(新冠ホロシリ乗馬クラブ・うらかわ優駿ビレッジ アエル)がいずれも第3セクターであったこともあって町役場や日高支庁とお付き合いする中で何とか公共機関と協力した枠組み(システム)が出来ないものか模索しました。
そしてより多くの馬たちを助けるためには、
経済な負担を軽減することです。
そこで実際にいくらにするのか考えました。
そして、BTC(財団法人 軽種馬育成調教
センター)の功労馬※に対する助成金が年間36万円であることから、何とか月額3万円で賄えるようにならないか・・・それを見つけるのに苦労しました。
2つ目の苦労は温暖な地域で構想に適した土地を見つけることでした。
まとまった草地があまりない上に、賃借料が安くなければなりませんからね。
※功労馬に対する助成金・・・中央競馬や地方競馬で指定されたレースに勝っている事や引退して多くの人々や競馬ファンに常時展示し、ふれあえる施設に繋養されていることなどいろいろな条件がある。
Q:ではどうやって月3万円で賄う方法を見つけたのですか?
まず、自分の牧場であったり、仕事で使っている乗馬たちを、冬季間の昼夜放牧をやってみたりしました。
そして次の条件を満たすとき可能性があることが分かりました。
@馬の頭数に見合った草地(1ha当たり約1頭)に昼夜放牧すること。
A青草の育成期間の長い温暖な地域であること。
B数の倫理を適応すること。
数の倫理は人件費との絡みから経済的頭数が20~25頭であるということです。
ですからホーストラストを立ち上げたときは、いつ経済頭数をクリアできるのか非常に心配でした。
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