■【馬ロマン】
第八回目ゲスト:小西英司さん(全4話)
-トラストスポンサー(1/3)-
Q:現在、スタッフは何名くらいいらっしゃいますか?
ホーストラストとしてのスタッフは、私を含めて4名ですが、ここは少々複雑です。
隣接する霧島アート牧場にも15頭の乗馬と2人のスタッフが所属しています。
組織としては2つに分かれていて、所属する馬もスタッフも別ですが、我々は通称“馬チーム”
と呼ばれ、乗馬15頭と引退馬40頭とそれに纏わる業務を、6人全員でやっているという
感覚です。
Q:スタッフの方の1日の作業内容をお聞かせください。
基本は8時に集合して、簡単なミーティングをします。
必要に応じて早出や、時には泊まりこみということもあります。
お客様の対応を優先しながら、2~3人で乗馬と引退馬の朝飼をやります。
現在群れは3つに分かれていて、乗用馬、トラストA、トラストBの3グループで、乗用馬とトラストAを先にやって、少し離れたトラストBはその後になります。
引退馬(トラストA・トラストB)はエサをやりながら、グルーミングと検温をします。
検温したものは、1か月分表にして写真やコメントを添えて、馬主さんとトラストスポンサーに送るので、月末月初は忙しいです。
夕方4時頃から夕飼にかかるまで、空いた時間はいろいろな作業があります。
管理地が広いため、やることがなくなるということがありません。
放牧地の他に3haの畑があり、冬から春にかけて収穫する牧草を作っています。
Q:現在苦労されている事はありますか?
一言で言えば、草地の保全と面積パフォーマンスの向上です。
言うのは簡単ですが、これがなかなか時間と労力と費用がかかり、大変なのです。
草地は昔牛馬を飼っていたときから長年放置されていたため、やせて酸性化して、牧草ではなく野草が生えている状態でした。
そんな傾斜地に馬を放牧すると野草は密度がないので表土が流出してしまいます。
ですから草地に降った雨を受けるように水路と調整池を作り、溜まった表土を草地の窪みなどに戻します。
それと並行して、密度があり土をしっかり捕まえる芝系の牧草の種を、クローバーと一緒に蒔いています。
調整池がある放牧地は現在1面しかありませんが、近々あと2面にも作る予定にしています。
草地の改善達成率も5%にも満たず、この先いつまでかかるのか見当もつきません。
昨年も割と広範囲に牧草の種を蒔いたのですが、それを妨害するものがいます。
野生の鹿です。
10頭~20頭、多いときには30頭くらい団体でやって来ます。
小さな口で新芽を食べるため、牧草が根付きません。
何が悲しいかって、お客さんに「小西さん、鹿も飼っているのですか」と言われるときです。
だから種を蒔く前に鹿を防除する必要があり、この冬にやっと17haの放牧地に電柵を作りました。
高さ170cmの6段で、延長2kmにもなりました。
それでも100%鹿を防ぐことはできず、後は犬3頭を使って追い払うことで対応しています。
夜はその犬を家に連れて帰るため、私は近所では犬を3頭も飼っている変人と思われているようです。
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