■【馬ロマン】
第八回目ゲスト:小西英司さん(全4話)
-トラストスポンサー(3/3)-
Q:ホーストラストでは特に管理を必要としている馬を除き、基本的には昼夜放牧をしている
そうですが、昼夜放牧のよい点・悪い点は何ですか?
ホーストラストの馬の管理レベルは、4段階あります。
第1段階と第2段階が昼夜放牧ですが、第2段階の馬たちは必要があれば馬着を着せるなど、割と細やかな配慮を必要とする馬たちです。
第1段階には20頭余りの馬がいて、完全昼夜放牧です。
これが経済的にどうかという話はさておいて、馬の立場から見てどうなのかということが皆さん聞きたいのだと思います。
馬が自然界で暮らすのに近い形であることは間違いありませんが、これが馬にとって幸せかどうかというと、はっきり言って解りません。
馬は「幸せだ」とも言ってくれなければ、「不平不満」も言いませんからね。
馬の表情や姿を見て、判断するしかありません。
ただ私が昼夜放牧の馬が幸せではないかと思う点は、馬に行動の選択肢があることです。
限られた範囲ではあるけれど、思う所に行き、草や木の葉を食べ、木陰や砂場に行ったり、また馬が合う仲間の側にいるのも、気に入らない奴を蹴散らすのも、自由です。
だから、馬が求める選択肢を放牧地の中に用意することも私たちの重要な仕事です。
以上がよい点だとすれば、悪い点は、雨が降れば濡れるし、虫に刺されるし(アブや刺しバエは思いのほか少ない)、目上の馬には噛まれたり蹴られたり、舎飼いの馬のように、いつもピカピカでいるわけには行きません。
新入りの馬はたいてい洗礼(?)を受けて、噛み傷をいくつも付けられています。
これをどう見るか、皆さんそれぞれで判断してもらうしかありません。
ただ人間の価値観を押し付け過ぎないことです。
この問題は、今後も何度も議論されることだと思います。これに対する私たちの答えは言葉ではなく、目の前にいる1頭1頭の馬を大事にして、皆に長生きしてもらう以外ない様に思います。
Q:1日1回は馬を集め、麦やミネラルなどの添加飼料を与えたり健康チェックをされている
そうですが、広い敷地の中で自由に過ごしている馬たちを集めるのは大変ではないですか?
馬には体内時計があって、その時間になるとだいたい集まってきます。
集まりの悪いときは、ハンドベルを鳴らすと集まります。(パブロフの犬状態)。
アート牧場の乗馬たちも、朝自分たちで(山の)上の放牧地から出勤して、夕方も自分たちで帰って行きます。
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