今年は北京でオリンピックが開催される年です。開会式が行われるのが8月8日の午前8時8分と8がずらりと並びます。8は日本同様中国でも縁起のいい数字とされていますが、それにしても開会式が午前8時にスタートは早すぎるのでは?と考えるのは最近のオリンピック事情を知らない人です。今回の北京オリンピックでは全米の独占放送権を獲得したNBCが時差の関係で、現地時間の朝早い時間の開会を強く主張したと言われています。
ですから、開会式以外でも陸上競技や体操などアメリカで人気の高い競技については北京時間で午前中に決勝が行われることが多くなっています。
ところで、北京オリンピックの馬術競技の会場がどこか知っていますか?新春特別号でもご紹介しましたが、正解は香港です。「何でまた北京から遠い香港で」とびっくりされる方も多いと思います。実はこれまで中国はオリンピックの馬術競技には参加したことが無く、今度のオリンピックが初参加となります。
問題は北京周辺に馬術競技の開催に適した競技場が無いことでした。もっとも、社会主義で中央集権の中国のことですから、北京周辺に適当な競技場が無ければ、作ってしまえばいいのですが、それをやらずに香港で開催することにしました。
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【ちょこっとメモ】
北京首都国際空港(1958・3・2開港)
中国最大(2008・2・7現在)の空港。今月下旬には北京オリンピックに向けて、第3ターミナルビルが完成予定。 |
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とは言え、オリンピックを主催するのは国家ではなく都市ですから、北京から遠く離れた香港で馬術競技を開催するには、IOCの許可が必要となります。
北京のオリンピック組織委員会は2005年7月のIOC総会に諮って、ここで正式に香港開催が決まりました。実は過去のオリンッピックでも、馬術競技の会場がメインの競技地を遠く離れたケースがありました。1956年のメルボルンオリンッピックで、この時は「検疫上の問題」が理由で、馬術競技だけはスウェーデンのスットックホルムで行われています。
中国も、今回香港での開催にあたっては、「検疫上の問題」を理由に挙げていますが、復帰から10年以上経って大きな問題も起さずに中国本土に協力している香港に対するご褒美だとの政治的な見方もあるようです。
つづく
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