映画『雪に願うこと』は2006年の第18回東京国際映画祭に出品され、グランプリ・監督賞・最優秀男優賞・観客賞の4冠を獲得した作品です。
舞台は北海道の帯広。ここで厩舎を経営する矢崎威夫(佐藤浩市)のところに、東京で事業に失敗した弟、学(伊勢谷友介)が転がり込んでくるところから物語が始まります。
学は厩舎で、成績が振るわず、このままでは薬殺されてしまう運命の馬、ウンリュウに出会います。そして新米の厩務員として厩舎の人々や女性騎手と心温まる交流を重ね、ウンリュウを優勝に導き、学ももう一度生きる勇気を得て東京へ向かいます。
東京映画祭でグランプリに輝いた映画ですから、映像的に優れていて、冬の夕暮れ時に、十勝平原の大自然の中で行う馬の調教シーンなどは、思わず息を呑むほどの美しさです。
この映画が完成した2006年は、「ばんえい競馬」にとって、大きな曲がり角の年でした。
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【ちょこっとメモ】
映画:「雪に願うこと」
なじみのあるサラブレッドとは、違う魅力をもつばんえい馬。一頭の馬、ウンリュウから始まる出来事は、人間に様々な教訓を与えてくれます。北海道の大自然の素晴らしさも見所の一つです。 |
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主催する自治体と「ばんえい競馬」自体の赤字が重なり、それまで北海道の旭川、北見、岩見沢、帯広の4市で開催されていた「ばんえい競馬」が、この年で休止され、あわや北海道から「ばんえい競馬」が消え去るかという瀬戸際の年でした。
それが、この映画の効果もあったのでしょう。さらにソフトバンク・グループの支援や多くのファンの支えによって帯広市で「ばんえい競馬」復活が決まったのです。
映画に登場した競馬場は改装され、「ばんえい十勝競馬場」に生まれ変わりました。ナマの「ばんえい競馬」を見られるのは、世界でたったひとつ、この競馬場だけですから、北海道に旅行した際は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょう。
私もいつか必ず出掛けるつもりです。
「ワタシの周りの馬好きの人々」〜完〜
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