真偽のほどは分かりませんが、東京都で飼われているペットの数は、子どもの数より多いと言われています。そう言われると私が家の近所を歩いて出会うのはペット連れの人ばかり、子ども連れはほとんど見かけません。国も税収穴埋めのため、ペットに税金をと考えるのも、あながち「暴論」とは言えないのかも知れません。
この話を愛犬家の女性に話したら、彼女は柳眉を逆立てて怒りました。「冗談言わないで、すでに区に登録料を払っていますよ。それに健康保険はないし、えさ代も高いし、そんなことを言う議員がいたら、選挙で落とす運動をするわ!」。
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【ちょこっとメモ】
ペット産業はこの不景気にもかかわらず、成長を続けている。
愛犬家・愛ネコ家と呼ばれる人たちは、わが子同様に可愛がり愛情を注ぐ。
ペットショップにはどれを買えば良いか迷ってしまう程、たくさんのエサ・グッズが置かれている。 |
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こうした声には弱い立場ですが、ペット課税は無理でも、ワンルームマンションや別荘に税金を課している自治体はあります。ワンルームマンション課税は池袋などの繁華街がある東京都豊島区独自の税金で、名前は「狭小(きょうしょう)住(じゅう)戸(こ)集合(しゅうごう)住宅(じゅうたく)税(ぜい)」(なんだか舌を噛みそう)です。
別荘に対する税金をとっているのは、温泉で有名な熱海市です。ワンルームマンションや別荘の場合、もちろん固定資産税は入りますが、住民登録をしていないケースがほとんどなので、住民税が集まりません。住民税を払わず、ゴミの収集など役所のサービスは受けるのですから、その対価として何らかの税金の負担をするのは当然という発想から生まれました。
こうした税金は、国の法律ではなく、自治体の条例で議会が決めることになります。正式名称は「法定外普通税」です。この他に自治体が独自に決める税金には、「法定外目的税」があります。一時、JRAの場外馬券売り場に税金をかけようという議論が神奈川県でありましたが、これは「法定外目的税」です。「法定外普通税」との違いは、集めた税金の使い道が、「普通税」は何にでも使えるのに対して、「目的税」は特定の目的にしか使えません。
神奈川県のケースでは、場外馬券売り場は、騒音など周辺住民に迷惑をかけるので、周辺環境整備のために税収を使うことになっていたはずです。最近は電話を使った馬券の購入が増えていますからJRAも新規の場外売り場を増設する予定はないと思いますが、場外売り場の設置に対しては、地元の自治体で、「法定外目的税」が課税される可能性も否定できません。もちろん、その負担を競馬ファンに押し付けるなんてことはJRAも考えていないはずですが・・・。
「税金あれこれ」〜完〜 |