私は丑（うし）年生まれで、「今年六〇歳になる」と正月のコラムに書きましたが、いよいよその時がやってきました。馬には失礼な話ですが、人間は長生きすると「馬齢を重ねる」と表現することがあります。馬は長生きの動物で、寿命は二五歳くらいですが、生殖能力があるのは一八歳ぐらいまでですから、後は、まさに「馬齢を重ねる」ということから、人間も「意味のない長生きをした」という謙遜の意味を込めて「馬齢を重ねる」と使うようになりました。
私の誕生日は２月２６日ですが、
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【ちょこっとメモ】
２．２６事件
1936年2月26日、陸軍皇道派の影響を受けた青年将校らが1483名の兵を率い、「昭和維新・尊皇討奸」を掲げて起こしたクーデター事件。
※ 皇道派（こうどうは）＝大日本帝国の陸軍内の派閥。財界や政界を排除して天皇親政による国家改造を説いた。 |
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７３年前の昭和１１（１９３６）年２月２６日に、有名な「２・２６事件」が起きました。
雪の降る日の出来事で、亡くなった母は、事件の起きた当日、靖国神社近くの女学校へ通う途中で、道路が反乱軍によって封鎖され、慌てて帰宅したときの様子を、子どもだった私に何度も話してくれました。寒さと怖さで震えた思い出が母の心に強く残っていたようでした。
事件の首謀者の北一輝（民間人）や陸軍の安藤輝三大尉らは、その年の７月に東京代々木の陸軍練兵場内に設けられた処刑場において「反乱罪」で銃殺刑に処せられました。
代々木練兵場の跡地は、現在、代々木公園とＮＨＫの放送センターになっていて、そのすぐ目の前に、２・２６事件で処刑された人々の慰霊碑があります。数年前から２月２６日になると、一見して右翼と判る人々が花束とお線香を持ってお参りしている風景が目に付くようになりました。
私は、右翼ではありませんが、誕生日の縁で、時折、慰霊碑を訪ねています。今年も翌朝、慰霊碑にお参りに行ってきましたが、碑は多くの花束に囲まれ、線香の煙も立ち込めていました。年々、２月２６日にお参りする人の数が増えているようです。
誕生日が２月２６日の政治家としては、竹下登元総理、山花貞夫元社会党委員長を存じ上げていましたが、ご両人ともすでに亡くなられています。お元気なときの竹下元総理は毎年必ず２月２６日に、私と山花元委員長のもとに、実家の清酒「出雲誉」を贈ってくださいました。
政治家ではありませんが、有名な画家の故岡本太郎氏も２月２６日が誕生日でした。亡くなった方ばかりでもいけませんので、今活躍中の有名人で２月２６日生まれを調べてみると、サッカーの三浦知良氏、サザンオールスターズの桑田佳祐氏などがあげられます。皆さん個性的な人々です。
つづく
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