60歳になって、嬉しいことは何もないと思っていたら、ひとつありました。もうこれからは、毎月の年金の保険料を払わないで済むのです。私の現在の立場は「自営業」で国民年金の対象となり、毎月の保険料は1万4410円です。私は、上乗せ年金として国民年金基金にも加入していましたから、合計して毎月2万4410円のお金が浮くことになります。
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【ちょこっとメモ】
新しい社交場!?
最近の60歳といえばまだまだ元気。ここ数年はインターネットの普及もあり、定年前後の人たちを対象にした、コミニュティーサイトが多数ある。旅行に行く相手を探したり、お気に入りの写真を公開したりとても楽しそうだ。競馬コミュニティーなんていうものもあり、競馬の勉強会を開催しているところもある。くれぐれも年金を使い果たすなんてことにはならないで欲しい。 |
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国民年金の老齢基礎年金が支給されるのは満65歳ですから、それまでの5年間は、保険料は払わなくても、ただじっと待たなければなりません。
もちろん、国民年金には「繰り上げ支給」の制度があって、60歳以降65歳になるまでに、年金をもらい始めることもできます。この場合、何歳から年金をもらうかによって減額幅が違ってきます。
例えば、60歳で、すぐ年金を受け取ると、65歳からもらえるはずの年金額の30%がカットされて70%になります。61歳からだとカット率は24%、62歳では18%、63歳では12%、64歳では6%となります。国民年金の基礎年金は40年間マジメに保険料を払って月額約6万6000円ですから、その70%は月額4万6200円になります。
「長生きできる保証はないから年金を早くもらっておこう」と考える人もいるでしょうが、一度減額した年金を受け取ると、65歳になっても額が増えないのがこの制度の特徴です。仮に60歳から年金を受け取ると、最後まで減額された4万6200円になってしまいます。
60歳の男性の平均余命は22年間というデータがありますから、平均まで長生きしたとすると、生涯の年金受取額は、60歳から受け取り始めたケースでは約1219万円、65歳を待って受け取ると、生涯年金額は、約1346万円になり、127万円多くなります。
「繰上げ支給」は損になりますし、「自分は短命だ」と思い込んでいる人が平均以上に長生きするケースはよくあることです。やはり年金の受け取りは65歳まで我慢するのが鉄則ですが、最近の経済事情から、「今すぐに年金を受け取りたい」と考える人が増えているのは残念なことです。
つづく
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