「桜の見ごろ情報」が、続々と各メディアで行われているのはご周知の通り。 今年は例年に比べ、桜の開花期間が長く、入学式などでは、見事に桜を背景に写真を撮られた方や、歓迎会・花見など、幾度も飲みの席をもたれる方も多いことだろう。 「この不況を乗り切れ!」と言わんばかりに、そんな重苦しい現状に、束の間、忘れ癒してくれる日本の桜。 日本の国花、菊と並ぶ、慣習的に代表花のひとつである桜。 悲しいかな江戸時代、仏教徒の国民色が強かった日本で、人々が殺生禁止の折、獣肉を食する際に使用した隠語としても有名である。それほど、馬と桜は昔から、良くも悪くもなじみがあるようだ。 そして、「桜」と言えば、週末、4月12日に行われる「第69回桜花賞」。 牝馬限定のクラシックレースとしても有名で、面白いことに開催地が阪神・仁川競馬場の利点があってか、関西出身馬をやや優勢にみる関係者も多いという。 しかし、関係者の中では「魔の桜花賞」と別名が付けられるほど、波乱含みで「展開の見えないレース」として、毎年、競馬ファンを魅惑の渦に巻き込んでいる。他のGTとは違う不思議な魅力が、この桜花賞にはあると私は思う。 日本へ訪れた事のある英国の友人が、「桜を見て日本を思い出した」と少し懐かしげにe-mailを送ってくるほど、海外の人の心にも「桜」と言うのは特別なものであり、また日本の象徴を飾る花と言えるのかもしれない。 その時、「遠い異国の地で桜をみて、故郷(日本)を思い出した」と言うフレーズが、ふと、私の頭の中によぎった。私なりの解釈だが、それは「桜」が母や妻、娘など女性を思わせるもので、その懐かしさ、哀愁に故郷の事を感じたのではないかと・・・・・・。 さあ、週末に迫った桜花賞。 あなたは、魅了されたどの馬に、優勝と言う名の大輪の花を咲かせて欲しいだろう。 (2009.4.10)