師走といえば、お寺のお坊さんが忙しく走りまわる様子を表しているが、現代では忙しいのはお寺のお坊さんだけではない。宗教は関係なく、祭りごとや祝い事を好む日本の国民性。クリスマスは企業にとっても、個人にとっても大切な行事の一つと化している。 さて、今回は少し優雅で華やかな世界、「天皇家と馬車」のコバナシをお届けしよう。 お金持ちだから、家柄がいいから、そんな理由では入ることは非常に難しく、様々な言い伝えなどがある天皇家。その天皇家で気になったこと。どちらかというと、中の様子も然りだが、今回は度々登場する「馬車」についてお話したいと思う。 近いところであれば、先月下旬にも、「天皇陛下即位20周年記念」により、皇居の東御苑で偽装馬車の特別運行が行われた。その際、使用されたのは1928年製造された馬車2台。これらは90年に行われた「即位の礼」の際に作られ、天皇や皇后両陛下が使ったものである。 他にも、「信任状棒呈式」のような、新任の外国の特命全権大使が信任状を天皇陛下に棒呈する儀式の際にも馬車が使用されることがある。大使一行の送迎は、通常、皇室用の自動車か馬車のどちらかを選ぶことができ、殆どは後者に挙げられた馬車を選ぶそうだ。 そして、これらに使用される裏方としての任務を全うする馬達は、宮内庁で飼われているとのこと。そんな馬の様子を一目見ようと、こういった偽装馬車の運行では、多くの人がシャッターを切り、そして、皇宮警察音楽隊の奏でる演奏に心を癒されものとなっていた。 普段はどこか我々世間とは疎外感があり、孤立しているような天皇家。 しかし、こういったお披露目で愛子様の成長など、国民全体が一つに心潤すことができるのは、こんな世の中でも、どこかに自国を愛する気持ちがあるからこそのような気がする。 (2009.12.11)