今週週末の大きなイベントといえば、心待ちにしている方、そうでない方も、やはり「バレンタイン」ではないだろうか。 この不況の中でも会社勤めの女性は、義理のためにデパ地下などに奔走しているだろう。心優しい女性達も、日本の風習になりつつあるこのバレンタインチョコを贈る行為は、全てが喜ばしいことではないかもしれない。それをふまえて男性陣もチョコをもらえば、自ずと有難みが増すだろう。バレンタイン当日は日曜日。そのまま無かったことに・・・、そうしてしまうのもアリのような気がしてならない・・・・・・。 さて、バレンタインと被せてタイトルにある「馬の顔を持つ○○○」の三文字を「チョコ」にしてしまってもいいのだが、例年、馬好きの方は、各メーカーで販売されている馬をモチーフにしたチョコは、きっと私よりもご存知だろうから、今回はチョコではないものをご紹介したいと思う。 チョコのようなかわいらしさとはかけ離れているが、今回三文字に入るのは「さかな」である。正確には、「馬面剥(ウマヅラハギ)」という、フグ目で、カワハギ科に属する魚だ。人間には、「あいつは馬面だな」など、あまり褒め言葉には思えない比喩で用いられることが多いが、この魚は見た目も愛着のわきそうな憎めない顔をしている。 実際、カワハギと比べると、やや少し細長いのが特徴。そして、それは顔にも言えること。少し「伸びている感」が、馬の様な顔に見えることで、「馬面のカワハギ」から、略して「馬面剥」と命名されたそうだ。 生息は、北海道以南で、日本近海・東シナ海・南シナ海で多く見られる。また、カワハギよりも沖合い深場で生息し、ヘドロなどの悪循環でも生息できることから、たまに大発生することもあるようだ。味はクセのない淡白な白身で、カワハギには多少劣るものの、様々な料理に使えるため重宝しそうな魚である。 私事だが、正直馬刺しは、食用の馬と分かっていても、頭に浮かぶのは、あの競走馬・乗馬などの愛してやまない魅力溢れるあの馬の姿で、食用も、そうでないものも区別しがたく、そういった同じ意見をもつ読者の方も多いのではないだろうか。しかし、この馬面剥であれば、意外と見ても食べても楽しめそうな気がする。そこに人間の残酷さがあるのかもしれない・・・・・・。 もし、気になる方は、是非一度食べてみてほしい。 (2010.2.12)