このところ、日中は薄着でランチを買いに行く人も多く見られるようになった。春のやわらかい風が心地よかった桃の節句も、穏やかにその時を告げ、日に日に春への準備が始まっているようだ。ただ、朝・晩は想像以上に冷え込むことも多いので、体調管理にはくれぐれもご注意を。 さて今回は、アメリカのゴールドラッシュに由来する名馬について、コバナシをお届けしようと思う。 皆さんは、49ers(フォーティナイナーズ)という言葉をご存知だろうか。今からおよそ160年前の1848年にアメリカ・カリフォルニア州で金が発見され、そこへ沢山の人々が押し寄せた騒動が、ゴールドラッシュ言われている。翌49年に、一攫千金を狙い、その夢を叶えるため、この地に入植した人々を「49年組み・49年者」として、49ers(フォーティナイナーズ)と呼んでいた。 そして、このゴールドラッシュの入植者達の呼び名から由来したのが、「Forty Niner(フォーティナイナー)」という馬である。また、父であるミスタープロスペクター(探鉱者)、その母にはゴールドディガー(金鉱採掘者)と、ゴールドラッシュに因んだ名前が一族として入っているのは、その時代に起こった出来事を取り入れるアメリカのユニークさだろう。そして、このフォーティナイナーは、種牡馬として出生したアメリカは勿論、日本でも多くの活躍馬を輩出するなど競馬界に大きく貢献し賞賛された。 2007年には惜しまれながらも、種牡馬を引退したが、繁養先の日本軽種馬協会(JBBA)では、フォーティナイナーを功労馬として引き続き繁養し、現在も静内のその場所で余生を送っているそうだ。 ゴールドラッシュのように、一攫千金を夢見て、大枚をはたいて馬購入や、レースに挑むのもいい。だが、動物は人間以上に恩恵を敏感に察知する生き物だと私は思う。その(愛)情はきっと、何らかの形で恩としてあなたの元へ返ってくるだろう。 「金!かね!!カネ!!!」と割り切った考えではなく、縁あって出会った馬には、沢山の愛情を注ぎ、その馬の生涯を共に見守り過ごして欲しいものである。 (2010.3.5)