関東では今週月曜日に、気象庁から梅雨入り宣言が発表され、以後、本格的な梅雨の湿り気を感じさせる蒸し暑い日が続いている。また、南アフリカで行われている「ワールドカップ」に、この蒸し暑さの中、深夜〜早朝まで夜更かしをしている方は、エアコンを付け始めたのではないだろうか。 梅雨のこの時期に夜更かしをすると、その分、試合の興奮状態も含め、熱気を帯びた身体に対し、マイナス1℃設定を緩め。結果、温暖化が加速するのでは・・・と、ふとそんなことを考えていた。睡眠不足に、梅雨の湿度高など、やる気を失せる要因が多くあるこの季節、うまく乗り切って欲しい。 さて、今回は、タイトルにある「風の馬(ルンタ)」のついてのコバナシである。 「馬=ルンタ」とは一体何なのか。それは、チベット人に深く影響している信仰の一つで、「風の馬」は、1998年を舞台に映画化された作品名である。この作品は、その当時、チベットの首都ラサを舞台に描かれたもので、兄妹ドルジェとドルカ、いとこのペマの3人を主人公に構成されたものである。 幼少時代を共に過ごした3人が、数年の時を経て再会したのはあまりにも無残なものだった。 「ダライ・ラマ」を慕う全ての行為が禁止され、尼僧になったいとこのペマ。彼女はその環境に怒りをあらわにするが、受け入れられるどころか、無残にも投獄され、彼女は監獄で拷問の日々を強いられたのだ。瀕死の状態からやっと解放され、かつての家族、ドルジェとドルカに引き取られた。 そんなある時、チベットを旅行していたアメリカ人のエミーと出会った彼らは、中国当局に対し、エミーの持参していたカメラに、息を吸うのがやっとの、か細い声のペマの姿や言葉を撮影し、海外メディア発信で当局の告発を決意。だが、その当局は凄まじい力で彼らを圧迫し、住居までも奪い去ってしまう。 故郷を追い出された同じチベットの仲間とヒマラヤ山脈で落ち合う時、この「風の馬(ルンタ)」に、人々は願い・希望・想いを描き、飛ばしたのだ。 この時代に起こった出来事など、教科書では知りえない事実が映像を通して認識できるこの作品。 今の我々なら、一体何をその馬=ルンタに込めて願うだろう・・・・・・。 (2010.6.18)