九州地方ではこの数日間で700ミリを超える雨量に達しており、気象庁は各地土砂災害に備えるよう呼びかけている。「束の間の通り雨」ではなく、ゆっくりと、くまなく降り注ぎ、その勢いは多くの自然災害をもたらすことが予想される、九州地方の方をはじめ、梅雨のこの時期は山岳・河川にお住まいの方、出かける方は、是非用心して欲しいと思う。 さて、タイトルにもある「馬が九頭で走る様子は・・・?」の、問いかけだが、少し頓智の利く方や、絵心を持っている方はすぐにお分かり頂けたのではないだろうか。正解は「うまくいく=馬九行く(走る)」である。少し人を小馬鹿にしたようなこの問いだが、実は意味があってのものなのだ。 数字としての「九」は、中国や西洋からの言い伝えもあり、日本でも「く(苦)るしむ」など、あまり良いものとして認識されていない。 しかし、「馬が九頭」で颯爽と走る様子を描いた掛け軸や、油絵など、古くから、これは「商売・出生・縁談・蓄財・勝負事・健康・夫婦仲・農漁業、受験」など9つのことが「うまくいく」と考え、縁起物として、贈り物や自身で所持している人が増えたようだ。 そして、執筆しながら気付いたことがある。通常、結婚式などのご祝儀など、お祝い事で包む金額も「二つに割れない数=奇数」を出すのが一般的であり、本来「九」という忌まわしいはずの数字も、九頭の馬により、また割り切れない数でもあることから、非常に縁起の良いものに感じられる。 本来ならば、マイナスの印象をもつ「九」と言う数字でさえ、見事にプラスの縁起物に変えてくれる馬たち。我々も各々の方法で取り入れ応用し、このような発想の転換で、それぞれの「うまくいく人生」を切り拓き歩んで欲しいものである。 (2010.6.25)