今年も、本日31日の更新をもって2010年が幕を閉じる。年々、生じる様々な出来事は、良くも悪くも、皆色濃く記憶に残り、忘れがたいものになっていく・・・。皆さんのこの一年はいかがだっただろう。私は、非常に充実していた。良き仕事仲間とも出会え、執筆以外の兼業では、給与を頂いていいものか・・・と思えるほどに充実し、慌しい日々ではありながらも、「作業」ではなく、「仕事」をした満足感で一杯である。この想いのまま更に、来年も精進したいものである。 さて、今年最後のコバナシは少し勇気付けられる心温まる話をお届けしよう。タイトルにある「白い恋人と馬車」。北海道でダントツの人気を誇るお土産の一つ「白い恋人」。その名は、日本国民の殆どが知っていると言っていいほど、有名なお土産である。 だが、そんな白い恋人も、一時は窮地に追い込まれた時期があった。皆さんも記憶にある、製造年月日の改ざんである。これまで黒字経営を守っていた石屋製菓(白い恋人の製造会社)は、この事件を受けて赤字に急転。社員も皆、これまでか・・・。と思っていたようだが、国民はそうではなかった。北海道の陳列棚から白い恋人が消えると、問い合わせなどが多数あり、「いつ再開するのか」などの声が多かったようだ。 その声も手伝ってか、工場・商品の徹底管理を行い、本来ならば箱に消費期限を設けて終わりのところを、個装した一つ一つに打ち込み、また、異物混入を防ぐべく、ラッピング用紙にも注意し、一度開けると二度と戻らないものを採用。そうして、赤字から再び黒字へと起死回生。信頼と共に業績は回復したそうだ。 そして、この石屋製菓では工場見学や、お菓子作り体験などができる「白い恋人パーク」という施設がある。館内は英国的な雰囲気を漂わせる洋館に施されており、リバティーホールと呼ばれるその脇には、馬車が設置されている。この馬車に乗り、記念撮影をする観光客も少なくないという。随所に楽しめる工夫が散りばめられており、お土産だけではない+αにそのファンは止まないようだ。 不景気や事件を、誰のせいにすることなく、己たちの、自らの力で再起する力。これが再起に成功した石屋製菓の勝因だったのではないだろうか。 本年も、コバナシをご覧頂き、誠に有り難うございました。2011年も、読者の皆様にとってご多幸の一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。 (2010.12.31)