東日本大震災から今日で二週間が経った。大地震の引き起こした巨大な爪痕は、少しずつではあるが日々地元消防団やボランティア、そして海外からの救助隊によって瓦礫の海を懸命に運び出し努力している。今回の地震では、大きな揺れや、津波は勿論のこと「福島原発問題」が広域にわたり、放射能の問題性が日ごと、時間ごとに発表される報道に不安の色を隠せないでいる。 都内でも22日、葛飾区にある水道局・金町浄水場で放射性ヨウ素が検出され乳幼児に水道水を飲ませないで欲しいとの警告がなさ、同時に、再びスーパー各店のミネラルウォーターなどの相次ぐ在庫切れになるなど、大人が飲む分には影響はないとされたが、都民近隣県民で混乱と不安に翻弄され買占めが起きた。また、一夜明けた昨日は乳幼児用の基準値を下回ったため問題はないとされたが、当面は水不足がさらに増すかもしれないので、どうか、しっかりと買占めに走らず、判断なさっていただきたい。 今回の大震災で被害を受けても、時期的には「卒業式」や学年の「終了式」が行われる時期。こと、「卒業式」など、こんな最中できちんとした場所で行うのは難しい。ある学校で行われた卒業式では、校長室に閉まっておいた子供達の卒業証書を取り出してみると、津波により浸水し泥などついていたりしたものの、奇跡的に生徒各々の名前は汚れずにあったと取り上げられていた。校長も、「この卒業証書とともに、この出来事を忘れない立派な大人になって欲しい」と呼びかけていた。 そして、今もなお続く避難所生活では、子供達が大活躍しているようだ。あまりの衝撃的な出来事に大人が参ってしまう中、中高生が一丸となって避難所で元気に頑張っているのだ。また、力仕事ができない小学生達も負けていない。「肩叩き隊」を結成するなどして、お年寄りの方に小さな手で一生懸命、肩揉みや肩叩きをしてあげているという。そんな小さな子供達の笑顔に、勇気元気をもらった大人が、自分達大人も負けていられないと奮起。 だが、わたしは思った。津波では多くの尊いものを全部奪い去っていった。それはあまりにも突然で、無残なもの。しかし、それほどまでの大地震・津波で奪い取れなかったもの、それは子供を始めとする、人々の「笑顔」だと気付いた。この笑顔がある限り、子供も大人もより逞しく生きていける。国は何カ国もあり、文化も色々違う。だけど、人が困っているときには優しく手を差し伸べる。これだけは万国共通なのだ。 そして、日本国民は今回受けた色々な人からの有難い温情は決して忘れない国民であると、わたしは自負している。 (2011.03.25)