先日、長寿番組アタック25で司会を務めていた俳優の児玉清さんが胃がんのため77歳で亡くなった。番組を降板している間も、「いつ復帰するのか」との声が相次いだ。また、彼の訃報を聞いた視聴者は、「必ず戻ってくると信じていたのに」、「大ファンだったのでショックです」など、コメントや哀悼の電話が数多く寄せられた。このところ、少し俯きになるような悲しい訃報が多く、業界関係者は困惑の色を隠せないようだ。 さて、そんな亡くなっていった方に手向けたくなる、悲しい心を少し慰めてくれるコバナシを今回はお届けしよう。関東〜関西では4月が一般的とされている桜の開花。日本列島の形からしても、南の沖縄・九州地方に始まり、次第に桜前線は北上していくのが常である。それが、最も遅い日本の最北端である稚内で観測された。気象台では、平年よりは5日遅く、昨年より3日早く開花したとのこと。 約二ヶ月にわたり、少しずつ桜が日本を明るく横断していったようだ。この二ヶ月の間は、東日本大震災を始めとする歴史的な大惨事が起こり、日本は悲しみのどん底に突き落とされたような日々が続いた。しかし、日本古来のDNA=和の心は、自然により脅威にさらされた我々の心は、やはり、これもまた自然によって、癒されていくものだと感じた。 大震災や原発問題、親しまれていた有名人の相次ぐ訃報など、悲しみに打ちひしがれる気持ちを、この桜前線のように、少しずつ上げていかなくてはならない。復興はまだ時間がかかるだろう。それに奮闘する被災地の人は勿論、国をあげて国民が一つになって動こうとしている今だからこそ、疲れたときには休んで欲しい。長期戦は、いかに自分のコンディションとうまく付き合っていくかが最大の勝因だとわたしは思う。 日本に桜がある限り、我々国民も再び輝き、そして咲き誇れるよう、諦めず少しずつ前に進んでいこうではないか。 (2011.05.20)