死者の数も多く感じられた、先日の台風12号の影響。大型の台風でありながら、その進行速度は通常よりもゆっくりと進み、各地大雨から、河川の氾濫になるほどの大きな爪あとを残していった。それが過ぎると、幾分涼しくなり秋の気配を感じるような陽気でもあり、また蒸し暑さが残る夏の後引きがあるようにも感じる。 さて、今回は「季節性感情障害」についてコバナシをお届けしよう。よく、感情的な病としては、「五月病」というのが一般的だが、これからの季節、秋〜冬にかけて自殺者を含むこういった感情障害を引き起こす人が増えているようだ。その理由として、「光」に関係があるとされている。 人間は、太陽の光=日光を浴び、「メラトニン」という物質が脳から分泌されるのがおよそ13〜16時間後といわれているそうだ。朝起きて、しっかりとした日光を浴びない人はきちんと浴びた人に比べてこういった障害が起こりやすくなっているという。 あくまで、これが全てというわけではないが、身体のメカニズムとしては、良質な睡眠をとるためには非常に重要な生活環境を一つといえるだろう。「光」としてだけ捉えれば、今行われている「節電」も少々問題ありとの指摘が浮き上がってきている。それは、節電の影響により、蛍光灯などを外し、室内が薄暗い状態で仕事を続けると「うつ状態」を引き起こす可能性があるともいわれている。 先ほど、例に挙げた日照時間不足により「季節性感情障害」を引き起こすことに類似し、同じような症状が、こういった薄暗い職場環境が発端となり、通常のストレスと重なり発症しやすくなるようだ。 節電によるものは、視力の低下などから引き起こす肩こり腰痛など、環境にはよくても、自身の身体にはよくないことが起こりうることを考慮し、政府、企業側は考査しなければならないだろう。幾分、夏の時期に比べ、大幅な電力の使用は減るであろうこの時期に、今後の対策を今一度しっかりと考えるべきであるとわたしは思う。まずは、企業全体で推奨し難しい方は、朝、昼など日照時間にしっかりと太陽を体内に取り込むことから始めてみてはいかがだろう。 (2011.09.09)