巨大勢力をゆっくりとした速度で日本列島を横断し多くの被害を出した台風12号の後、再び勝るとも劣らない勢力の台風15号が、日本列島を直撃した。その影響は都内を麻痺させ、メガターミナルの新宿を始め、各鉄道機関が次々にストップ規制され、あの大震災に近いほどの帰宅困難な人々が駅内外周辺で埋め尽くされていた。途端に駅ビルには、流れ込むようにして待ち時間をつぶそうとする人でごった返し、飲食店はこのところの不景気だったため、この思わぬ事態に、良くも悪くも悲鳴をあげているようだった。 さて、そんな台風も悪いことばかり残したわけではなく、少しずつ秋に近づけてくれている、そこで今回は、秋といえば食欲の秋、これをテーマに食に関するものをお届けしよう。タイトルにある「イベリコ豚」、みなさんは口にしたことはあるだろうか。イベリコ豚の特徴は、スペイン産で、どんぐりを食べて育った豚、と概要としてはこんな感じだろう。もう少し掘り下げてみると、身体的特徴は黒い爪や脚をもつことから、スペインでは「黒い脚」とたびたび表記、呼ばれることあるそうだ。 また、市場などでは、「前脚から悪魔が入る」といわれ、肉質、味にはさほど変わりはないのだが、そういった理由で後ろ脚を食すのが一般的でまた、前脚よりも価格的には高価なのだとか・・・。こういったお国柄があるもの、イベリコ豚、スペインのユニークなところといえる。味としては、昔からよく、「豚は脂身が美味しい」とも言われ、イベリコはその脂身が口の中でさらりと溶け、見た目ほどの脂っぽさは感じないだろう。 また、飼育時にどんぐりを食べているため「オレイン酸」が豊富に含まれ、動脈硬化にともなう、心筋梗塞・脳梗塞・高血圧・糖尿病などの生活習慣の予防に役立つため、その味わいと特徴で好まれているようだ。 普段何気に食べている海外からの食材は、様々な、お国事情を知ることができ、非常に興味深い。海外だけではなく、日本それぞれのご当地物も調べてみると、これからの食欲の秋はさらに堪能できるのではないだろうか。 (2011.09.23)