馬の世界では「出産ラッシュ」が各地で絶えない。 馬の出産は約11ヶ月の妊娠期間を経て行われるのが一般的であり、野生の本能の名残か、獣たちも寝静まるであろう夜に行われることが大半を占めている。 その為、牧場の人間は昼夜を問わず「産まれる!!」と分かれば、休んでいても休みきれないのがこの時期の常である。 一昔前はお産するのが分かると馬房に寝泊りし、つきっきりでその瞬間の世話をしていた。 しかし、現代では「監視カメラ」を馬房に設置している牧場もあり、家の中からその馬の様子が把握できると言う。アナログに馬房に寝泊りするのも、デジタルに監視カメラを活用するのも牧場それぞれのようだ。 陣痛が始まり不安と焦り?を隠せない母馬は馬房をぐるぐると重たそうに旋回する。落ち着きがなくなり、ゴロンと横になったり起き上がったりを繰り返す。 やがて破水などが起こり出産の本番体制へと入っていく。よほどの難産にならない限り、平均的に約1-2時間程で出産する。 本来理想としては「自然分娩」が望ましい。 しかしながら、あらゆる生命の危険性を母仔共に回避するためにも、ここで我々人間の手が必要なのだ。 (2008.4.11)