「チャグチャグ馬コ」の「チャグチャグ」は、一体どこからついたものなのか。 それは小荷駄装束の飾りと一緒に身に付けている「鈴の音」に由来している。 時には遠方にまで出向き、これら最高の音を奏でる鈴を探し出すほどの力の入れように、鈴の重要性が分かる。装束の華やかさもさることながら、鈴もまた大層なものとして認識され、選びに選んだ特別なものだということを。 祭りの成功を願うだけでなく、「いい音のする鈴を馬に」と言う、人間の温かい親心のようなものを感じるのではないか。 そうして選び抜かれた鈴の音は「リンリン」、「チャリンチャリン」ではなく、「チャグチャグ」と奏でている(ように聞こえる)事で、「チャグチャグ」と命名された。 しかも、この一行の奏でる鈴の音は「残したい日本の音風景100選」に環境庁から選出されなど、とても見事な「音の風景」と言えるだろう。 今回のコバナシを書くにあたって日本語の言葉の豊かさにも大変感動した。 「音の風景」、馬が歩き鳴らすその鈴の音をそう表現するのも、これまた情緒深く感じ、馬と人間の愛情を知ると同時に、まだまだ日本にも素晴らしい伝統文化があることをみなさんもご存知頂けたことだろう。 (2008.6.27)