今、野生馬が危機にさらされている。 場所はアメリカの西南部。その野生馬の成長区・収容区で馬が大幅に増加しているらしい。アメリカ土地管理局は、増加した馬を安楽死させる方針で地区内の馬数をコントロールする計画を発表した。 同局は、「国有地での野生馬の収容頭数はすでに限界を超えている。土地管理局がこの地域で馬を飼育し続けることは難しくなっており、さらに馬を育てたいという人も減ってきている」と述べた。 この成長区では、野生馬が現在3万3000頭にも上り、今後は約6000頭マイナスの、2万7000頭以下に減らす計画だそうだ。飼育地区以外の各種収容施設にも約3万頭が収容されている。 基本的にこれら収容された馬達は「里子」として出され、該当しない馬は、長期収容先で自身の一生を遂げるらしい。 9月には早くもこの計画を具体的に行えるよう現在進められている。 いかがだろう。 馬を愛する者として、このような表現は用いたくないが、怪我などで「止むを得なく」これ以上苦しまぬよう安楽死の手段をとるにも些か胸が痛む。それを数千頭にも及ぶ馬が安楽死させられるかもしれないのだ。 「かわいそう」と言う問題だけでは済まないのが現状だろう。だが、安楽死させる馬は一体どうやって決めるのかなど、不安や疑問は募るばかりである。そして何もできない自分の微力さにも些か苛立ちを覚える。 しかし、この問題は馬のみに限らず、日本でもよく耳にする飼い主の飼育放棄による犬・猫の増加にも言えることだ。一度面倒を見ると決めた以上、その命を最大限に尊重して欲しいと切に願うところである。 (2008.7.4)