北の大地、北海道。ここ札幌競馬場に「小さな戦士たち」のレースがある。 浦河ジュニア・ジョッキー杯だ。 このレースは毎年5月の連休、「ゴールデンウィーク 春のケイバ祭り」のアトラクションの一環として行われ、今年が4回目に当たる。 このレースの見所は、何と言っても「ジュニア・ジョッキー」という名の通り、子供たちがポニーに騎乗しレースを行うところにあるだろう。 騎手は皆、学年も性別も異なり、体格差も多少ある。だが、いざレースが始まると、その姿は、子供ということを忘れさせ、サラブレッドに騎乗するプロの騎手同様に見えてくる。 純粋に馬を想い、馬と共に渾身の力を振り絞る姿は、大人顔負け。その真剣な眼差しでサラブレッドさながらの迫力あるレース展開を魅せてくれるのだ。 このレースには道内の浦河町にある浦河ポニー乗馬少年団の子供たちが参加している。地元の生産者や育成者が地域の子供たちに乗馬を教えているらしい。 今では少なくなってきた地域交流。その地域の子供たちを中心に、馬を通じてひとつの大きな家族のようにも感じる。 生まれながらにして、自然と、動物と一緒に暮らすことのできる環境にある子供たち。勿論、勉学に励むことも子供として大切である。だが、人間以外の生死あるものと、幼少から付き合っていくことは、勉学以外の様々な発見、生命の尊さ、人間力が自然と身に付くのではないだろうか。そしてそんな子供達と馬の楽しそうな光景に、我々大人も一緒に顔を綻ばせてしまうだろう。 (2008.7.11)