普段みなさんは競馬に対してどのような想いがあり、どのような目的で馬券を購入されているのだろうか。 「一攫千金を夢見る人」「馬の疾走する姿に惚れた人」など、それぞれ馬に対して想い想いのものがあるだろう。 私の場合、馬券をいざ購入しても「勝ったらいいな」と思う程度で、ギャンブル性はあまり重要ではない。 少額で馬券を買い、その馬が走る雄姿を一コマ一コマ眼に焼付け、心に残る名レースを見られればそれは何よりも心躍る思い出となる。この時代に相応しいエコで安上がりな人間である(笑)。 では、馬主の目線で考えるとどうだろう。 と言うのも、日本と海外の競走馬の「引退」には、些か意識の違いがあるように感じたのだ。 日本では、牡馬はある程度引退までに時間を要し、「種牡馬・乗馬」などその後の人生を歩むのがごく一般的だろう。 海外では、デビューして間もなく、戦績もさほど多くは無い3歳過ぎの馬が引退することが、日本以上に普通のこととして認識されているようだ。 その理由として大きく2点挙げられる。 1つ目は、「連勝としての馬の価値」だ。 日本国内同様、海外でも連勝はその馬の強さを何よりも物語る。そしてそれは、種牡馬の価値を表す=高値で取引される一番の要因となる。 現役引退後、51億円という高額のシンジケートが組まれ、初年度から種付け料が1200万円のディープインパクトは、皆さんも記憶に新しいだろう。ディープはその「連勝」の強みが、顕著に表された代表的な馬と言える。 配当は株を所有するものに(これらの仕組みは別の機会に)分配され、彼らは更なる競馬の面白味、魅力にハマり、また次の夢に励んでいくのであろう。 後編へつづく (2008.10.3)