前回、競走馬の早期引退について、「連勝を維持することで、種牡馬としての価値を保つことが可能」になるというコバナシをした。頭の回転のいい人はお気付きだっただろう。 「連勝を維持する」=「連敗を阻止する」とも受け取れると云うことを・・・・・・。 血統が良いとされている馬が連敗続きであれば、瞬く間に種牡馬としての価値も失うことになる。血統が良いと望みをかけ、「一勝」に夢を託すのも分かるが・・・・・・。 しかし、合理的、現実的に楽しみだけでは終われないのは、やはり金銭的な部分が大きいからだ。 もう一つ別の理由についてコバナシをしようと思う。 海外では古馬の出走できるレースで優勝賞金が高額と云うのは、日本と比べて案外少ないように感じる。 ドバイワールドカップ、BCクラシックなどは別として、やはり全体的にはそれほど多くないだろう。若馬の活躍は今後の競馬界を盛り上げる一つとして大切にしたいもの。 だが、競走馬人生の軌跡を辿り見えてくるもの、それはやはり「古馬」の辿った足跡が、競走馬人生と云うものを我々に教えてくれるのではないだろうか。 いずれにせよ、早期引退の陰には、故障などの止むを得ない理由は勿論のこと、そう言った「大人の事情=金銭的事情」が絡むことは確かなものだと改めて感じた。 惜しくも引退してしまった馬をレースではその活躍を見ることができない。 しかし、新たにその引退馬のDNAを受け継ぎ生まれてくる仔に、次の夢を託したいものである。 (2008.10.10)