街中では、秋色に身を包まれた人々が多くなってきた。夜風も日増しに涼しく、時には少し肌寒く感じる。 今の時期は「秋と冬の狭間」。次第に色づき始める鮮やかな紅葉と、その後に続く冬の準備期間と言ったところだろうか。 その移り変わりは食事にも見られる。 暑かった夏の時期を振り返ると、比較的冷たくさっぱりとしたものを好む。そして、これからはおでんや鍋など、温かく熱いものが好まれてくる。「食欲の秋」、本番である。 先日、この時期に相応しい、ある競馬の記事を一文見つけたので、今回はそのコバナシをご紹介したいと思う。 内容はソーマジック(JRA・田村康仁厩舎)について書かれていた。 その中で同馬の調教師は「春は決して食いが良くなかったが、秋になって食えるようになった。薄皮一枚残したぐらいが良さそうだから、いい感じできている」とコメントしていた。 前述に、「食欲の秋」と云う言葉があるように、ふと、「馬にも食欲の秋というものがあるのだろうか?」と疑問に感じたのだ。 そして、幾つか調べていると分かったことがある。 確かに、馬も食欲が増すことはあるそうだ。 しかし、その意図するものは、冬への準備、これから訪れる冬に備え、それを乗り切るために栄養を蓄積する認識の方が正しいと言える。 決して単純ではないが、この「蓄積」がレースにどう影響するかを、血統や性格と合わせて考慮し、秋以降のレース研究をするのも楽しみの一つになるのではないだろうか。 「実りの秋」といわれるこの季節。皆さんも食べすぎにはくれぐれもご注意を。 (2008.10.17)