ここ最近、TVや新聞でその話題で持ちきりだったサブプライムローン問題は、アメリカ金融業界から世界に向け、その波紋は全世界至る所に大きな広がりをみせている。 その影響のひとつに「リーマン・ブラザーズ」が連邦倒産法第11章を連邦裁判所に申請し、事実上、「破綻」となったのは、皆さんも記憶に新しいと思う。 しかし、今回は少し異なったリーマン・ブラザーズの取り上げが目を引いた。それは、先週(10月19日)に行われた、秋華賞でのこと。優勝馬と馬主にまつわるエピソードが、リーマンの話題に関与していたからである。 目を引いた理由として、第一に「払い戻し金額」である。3連単で「1098万2020円」と歴代3位にもなる高額配当だったこと。 そして第二に、馬主である田原邦男氏が株のディーラーを生業にしており、リーマン・ブラザーズと今年の4月に契約を交わしていた。後に、リーマンの破綻によりこの打撃を田原氏も受け、結果、無職となってしまったのである。 そんな金融大恐慌ともいえる最中、秋華賞では持ち馬のブラックエンブレムが優勝を果たした。これには様々な想いが、田原氏自身あったのではないだろうか。 たったこの数ヶ月の中で、悲劇と喜びを味わったこと。また、知ってか知らずか、そんな馬主の状況を汲んで、見事優勝を勝ち取った愛馬、ブラックエンブレム。その黒い紋章(=ブラックエンブレム)は観戦した我々の心にも、しっかりと刻み込まれたに違いない。 (2008.10.24)