☆ 夕刊フジ「永田町新潮流」 ☆
★ 「はやぶさ」チームを顕彰 世界に冠たる科学技術 ★
12月2日、宇宙開発担当大臣として『はやぶさ』功労者に対する感謝状贈呈式に出席しました。
暗い話題の多かった2010年で唯一といってもいい明るい話題は『はやぶさ』の地球への帰還だったのではないでしょうか。地球から遠く離れた小惑星『イトカワ』まで飛行して、その微岩石を採取、そして地球へ還るという7年にわたる極めて困難な任務を途中幾多のトラブルに見舞われながら見事達成しました。これぞ日本の誇る科学技術の成果です。
地球に帰還した『はやぶさ』のカプセルは日本全国で展示され大変な人気を呼んでいます。しかし、肝心の『はやぶさ』を支えた企業、研究所、大学、JAXA(航空宇宙研究開発機構)などプロジェクトチームの人々の功績があまり顕彰されていないのではと、かねてから感じていました。そこで、私が宇宙開発担当大臣に就任したのを機に、『はやぶさ』関係者を表彰しようと提案しました。
当日、感謝状を受け取ったのは、JAXAをはじめ、茨城大学や神戸大学などの20大学や研究機構。企業は日本電気やIHIなど99社。この中には従業員5人のS社も含まれています。この会社は江東区にあり、宇宙開発機器の実験機材の製作をしており、今回の『はやぶさ』プロジェクトでは、地球に帰還したカプセルのモックアップ(試作品)の製作をし、本物のカプセルを製作する前に、どういう形状にすれば空気抵抗が一番少ないか等、各種の実験を行いました。
また目黒区に本社のあるK社は従業員30人の企業でありながら、固体潤滑剤の研究・製造の専門企業です。宇宙空間では潤滑油が蒸発して使えなくなるので、固体の皮膜潤滑剤を使うのだそうです。同社のそうした技術は、世界最高水準にあり、今回のプロジェクトだけでなく、国際宇宙ステーションの実験棟『きぼう』でも使用されているとの事です。
表彰式に出席された企業の代表者の顔は、晴れ晴れしていて、自分たちが日本の科学技術を支えているのだという思いがひしひしと伝わってきました。これから予算編成の季節になりますが、財政が窮屈とは言え、科学技術への予算はしっかり確保しなければなりません。
(2010.12.08記)
内閣府特命担当大臣 衆議院議員 海江田万里
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