★ 法人税減税は中途半端 メリハリ利くシンガポールの経済政策 ★
昨年末に1泊3日でシンガポールを視察してきました。1泊3日というのは現地のホテルでの宿泊は1日で、後の2日は機中泊ということです。そう言えば大臣就任直後に出席したウィーンのIAEA総会の際も、1泊3日の旅程でした。私以外でも日本の大臣の海外出張は1泊3日が標準的な日程のようです。
訪問先にシンガポールを選んだ理由のひとつは、経済成長が著しいことにあります。2010年10月にIMFが行った世界経済の成長予測でシンガポールは年率15%と高い伸びになっています。何がシンガポールの経済成長を支えているのか、そのエネルギーを肌で感じることができればと日本を出発しました。
同国の高度成長の背景に、2010年2月には『新経済成長戦略』を策定したことが挙げられます。わが国の『新成長戦略』の閣議決定は同じ年の6月ですから、日本とほぼ同時期に定めたシンガポールの成長戦略について意見交換を行うことも目的のひとつでした。
シンガポールは2010年に入って観光客が急増しています。7月には1か月で100万人の観光客を集めました。日本は月に60〜70万人ですから、日本を大きく上回っています。その要因は2010年に2つのカジノ総合リゾートが開業したことにあります。これまでシンガポールでは、カジノを建設することに政府内にも反対意見がありました。しかし、香港、マカオ、韓国など他の東南アジア諸国に観光客の数で水をあけられたことに危機意識を感じ、カジノ導入を決定した経緯があります。
今回、私はそのカジノ施設を視察しました(もちろん、ゲームは一切行っていません)。
興味深かったのは、カジノ施設に入るのに、外国人はパスポートを提示すれば無料で入れるのに対し、シンガポール人からは、1回の入場に付き100シンガポールドル(約6300円)を徴収していたことです。これは国民がカジノ漬けになるのを防止するための税金だそうで、全額が国の収入になります。
税金といえばシンガポールの法人税率は2010年度から17%に引き下げられました。ゴー・チョクトン上級大臣との会見で、わが国でも法人税の実効税率を5%下げ、約35%にしたことを告げましたが、シンガポールの税率の前では、日本の減税は何とも中途半端に映り、メリハリの利いた政策を素早く決めることがシンガポールの成長の秘訣と感じました。
(2011.01.12記)
内閣府特命担当大臣 衆議院議員 海江田万里
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