★ 税制改正でも天下りに釘 ★
1月24日第177回国会がスタートしました。言うまでもなく今度の国会は平成23年度の予算とその関連法案を審議する大事な国会です。予算については憲法第60条の規定で、衆議院の優先権が定められていますから、現在の衆議院の与野党の議席数から、無事成立することは明らかです。しかし問題は予算関連法案、特に歳入関連の赤字国債発行のための法案と税制改正法案の行方です。
私は、憲法で予算案の衆議院優先が定められている以上、予算の執行に不可欠な歳入法案についても、それなりの配慮があって当然と考えますが、そうなっていないところに現実の国会運営の難しさがあります。
ところで、今回の税制改正法案の中で、マスコミなどではほとんど触れられていませんが、私が強く主張して、盛り込まれた項目があります。
それは、退職所得の2分の一非課税の特典を利用できる在職年数を5年以上に狭めた点です。といっても理解されないかもしれません。これは、天下りで渡りを繰り返す高級公務員と、自治体の市長や区長、知事などにとってはダメージの大きい税改正です。
これまで、高級公務員や自治体の首長は、生涯に何度も退職金を手にしてきました。市長や知事などの首長は、一期4年の改選のたびに高額の退職金を手にしています。大都市の首長や知事は、1年に付きおよそ1000万円と言われますから、任期4年間で4000万円もの退職金額を手にすることになります。その上、この金額はまさに退職金扱いですから、税法上2分の一非課税の特典を利用できるわけです。
もともと退職所得に2分の一非課税の制度が設けられたのは、サラリーマンにとって退職金は一生に一度受け取るもので、老後生活の大きな支えになるわけですから、できるだけ税金を軽くして、手元に残る金額を多くしようという考えに基づいています。それを一生に一度どころか、4年に1回、選挙で再選されて、また4年後にもう一度と、度々退職金を手にする場合、この制度を悪用していると批判されても反論のしようがないと思います。
また、前述したように高級公務員が各財団を渡り歩く役員退職金にも適用されますから、これまで財務省も手を付けないでいました。
私は、前々からこの制度は早急に廃止すべきだと考えていたので、今回政府税制調査会の会長代行になった時に、これだけは必ず廃止するようにと財務省に強く主張し、財務省もこれを受け入れざるを得なくなりました。
もちろん、これは税制改正の中のほんの一部ですが、私にとってはひとつの成果だと思っています。
(2011.01.25記)
経済産業大臣 衆議院議員 海江田万里
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