★経済界「視点」「衆参対等統合一院制」を考える★
7ヵ月半在職した経済産業大臣の職を辞するにあたって秘書官が大臣在任期間中の業績データを調べてくれた。閣議への出席70回、官邸会議出席133回、国内出張10回、海外出張6回、海外からの要人表敬延べ45人、とここまではいい。
わが目を疑ったのは、国会での発言回数だ。その殆どは国会の委員会での答弁で、その他に本会議での趣旨説明なども含まれるが、その回数が何と1913回に上っている。
自分でも、「国会での答弁回数は多かった」との覚えはあるから、まあ700〜800回ぐらいかなと予想していたが、実際にはそれを1000回超上回る1913回とは、数字を前に愕然としてしまった。
秘書官は「1国会での答弁の回数としてはギネスブックものですよ」と慰めてくれたが、それだけの答弁に立った私としては、国会答弁で性も根も尽き果てたといった感じである。
そんな折に、衛藤征士郎衆議院副議長にお目にかかった。衛藤副議長は「衆参対等統合一院制」の会長として、これまで一院制の導入に大変熱心に取り組んでこられた方である。衛藤副議長は「今、政治のスピードが求められているときに日本の政治はその要求に応えられていない。政治がスローな理由はわが国の二院制に問題がある」と力説されていた。
この意見には私もまったく賛成で、現在のようなねじれ現象のもとではもちろんだが、ねじれが無くても、わが国のような二院制では政治が物事を決めるのに時間と手間がかかりすぎる。
「二院制を採用しているのはわが国だけでなくイギリス、フランス、ドイツ、それにアメリカだってみんな二院制ではないか」との反論が出ると思う。
しかし、大統領制のアメリカは事情がだいぶ違うし、首相のいるイギリス、ドイツ、フランスなどは名目上、二院制を採用しているが、実質は一院制の国会運営であることを忘れてはならない。イギリスの上院議員は貴族と高僧に限られ、その資格は終身である。フランスの上院議員の選挙権は下院議員と地方議員に限られて、一般の国民は上院議員選挙に参加できない。またドイツは、各州の首相や大臣が上院議員を兼職する。
こうして見ると、わが国の二院制が、世界で稀な制度であることがよく分かるだろう。
私は、これまでどちらかというと、二院制のもとで、議員定数を減らして、両院の機能を違えてはどうかと考えてきた。それは、二院制を一院制にするには、憲法改正が必要で、一院制には参議院議員が反対するだろうと考えていたからだ。しかし、衛藤副議長が主張しているように、「衆参対等統合一院制」なら、その危惧は無くなるのではないかと、私も早速この議員連盟に参加し、議会のあり方を再考したいと思う。
衆議院議員 海江田万里
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